京都府の医療問題は全国的に見ても優遇されているといってもいいでしょう。医療崩壊を叫ばれる昨今、様々な自治体で医師不足の問題が深刻化しているのはご存知の人も多いはずです。その中で、京都府は医師数は全国平均を大きく上回っているのが現状です(人口10万対医師数で全国1位)。
京都府には33校の大学があり、その中で医学部を設置している大学は京都大学、京都府立医科大学のたったの2校しかありません。医学部のある大学は全国で81校(国立大学42校、公立大学8校、私立大学が30校、防衛医科大学)ありますが、全国的に見ても2校というのは極端に多いわけではありません。京都府の医学部がある大学は、京都大学医学部附属病院と京都府立医科大学附属病院の2つです。いずれも京都市内にあります。実は、京都の医師数が多いのはこの京都市限定の話です。京都市以外ではすべて全国平均を下回っている現状があります。確かに、京都府の人口の内、5割強が京都市に集中しているものの、やはり現状では府民すべてに均等な医療環境を提供することはできません。そのため、市町村間で休日・夜間の診療体制、各診療科などの様々な連携をとりながら、対策を講じています。
また、京都府内の医師の平均年収は、全国平均よりも高いということです。待遇もよく、休暇、通勤手当、住宅補助などの福利厚生を充実させている病院が多数あるといい、医師の転職先としては人気が高いようです(参考:京都府の医師求人情報―ドクタービジョンより)。それに関西圏でも群を抜いて待機児童が少ないという環境から女性医師にとっては非常に働きやすい環境でもありますし、大学付属の病院は両方ともに特定機能病院に指定されています。また、さまざまな専門医療機関も多くキャリアを積みたい医師にとっては魅力的でしょう。
つまり、一般の医師の転職はもちろんのこと、女性医師や若手医師にとっても非常に魅力的な求人が多いエリアと言えるのです。ただし、小児科と産科はこれだけの医療圏にあっても不足しているとのことなので、地域間の医療格差だけでなく、未来ある子供たちのためにも産科・小児科の早急な解決は望まれます。